IoTの課題を解決できるシステムとして期待
IoTとは、機械、機器、システムなどあらゆるモノからデータを収集することです。複数の機器から常にデータが収集されるため、扱うデータ量は膨大なものになります。この膨大なデータをクラウド上で処理するためには、クラウド側のサーバーの性能を高める必要があります。また、複数のデバイスとサーバー間でデータをやり取りするため通信にも負荷がかかり、遅延なども発生します。
このような課題に頭を悩ませている中で登場したのが、エッジコンピューティングです。エッジコンピューティングは収集したデータの一次処理をエッジサーバーが行い、精査して必要だとされたデータをクラウド上のサーバーで管理します。サーバーや通信で扱うデータ量を削減できるので、これらの課題を解決する一手にとして注目を集めました。
5Gの特徴を最大限に活かすための技法
5Gは2020年に本格的に商用サービスが開始されました。5Gの特徴は「高速・大容量」「低遅延」「多数の端末と接続可能」で、次世代の通信インフラとして社会に大きな技術革新をもたらすことが期待されています。5Gの特徴を最大限に活用するためには、データ処理性能を向上させる必要があります。データ処理を1台のサーバーで行うクラウドコンピューティングではサーバーへの負荷が大きく通信距離も長くなるため、速度が低下してしまいます。
しかし、エッジコンピューティングでは複数のエッジサーバーにデータを分散させるので、各サーバーの負荷を軽減することができます。また、端末の近くでデータ処理を行うので、データを転送する速度も向上し遅延防止にもなります。
まとめ
IoTなどの新しい技術を導入する場合は導入するシステムだけに目が行きがちですが、その土台となるデータ処理や通信環境をアップデートしなければ、導入しても技術を最大限に活用することはできません。
今後、5GやIoTの普及はさらに加速していくことでしょう。IoTデバイスを活用した生活は多くの人にとって当たり前のものになることが予想されます。そうなると当然、データが大渋滞してしまうため、その問題を解決できるエッジコンピューティングを活用したシステムが主流になると考えられます。土台とも言えるデータ処理の環境整備のニーズは今以上に高まっていくことでしょう。