世界市場の平均成長率とほぼ同じ
急成長しているエッジコンピューティング市場ですが、その成長率は世界市場の年間平均成長率29.5%にも劣りません。世界市場では2028年には560億791万米ドルの規模に達することが見込まれています。なぜ、エッジコンピューティングはこれほどまでの急成長を見せているのでしょうか。その要因は複数ありますが、ここでは「データ量の増加」「高まるリアルタイム処理への要求」「新型コロナウィルスの影響」の3点に絞って説明していきます。
「データ量の増加」
ビッグデータの活用がビジネスの基本になりつつありますが、データやシステムの置き場所として選ばれているのはクラウドです。しかし、多くのデータが置かれればアクセスも集中し、データ処理に遅延が発生してしまいます。そのため、使用後すぐに必要なデータや不要なデータをエッジに、それ以外のデータをクラウドに送ることでアクセスを分散させることができるエッジコンピューティングの需要が高まっているのです。
「高まるリアルタイム処理への要求」
エッジコンピューティングの最大のメリットはデータ処理の高速化だと言われていますが、これはクラウドでの処理が遅いという意味ではありません。すぐに使うデータはクラウドに送らず、デバイス側で処理した方がムダを省くことができる、という意味です。
データを集めるだけでなく、何を使い、何を保存するか、を取捨選択することで、快適なネットワーク環境を実現することができます。
「新型コロナウィルスの影響」
新型コロナウィルスは基礎疾患のある患者や高齢者に大きな影響を与えるため、もともと何らかの病気で通院している人は感染のリスクが他の人よりも高いと言われていました。しかし、オンライン診療を利用すれば自宅にいながら医師の診察を受けることが可能です。感染も防げるので、オンライン受診を取り入れる医療機関が増えました。その結果、インターネット通信の利用率が一気に高まったのです。
また、ステイホームが続いたことでネットワークインフラも拡大しました。リモートワークや動画サービス、オンライン飲み会などを利用する人が増え、日常生活においてもインターネット通信は必需品となっています。
このように、様々な場面で導入が進められたことで情報の取捨選択ができるエッジコンピューティングの急成長にもつながった、と考えられています。