エッジコンピューティングの活用事例「顧客分析」

エッジコンピューティングで生活を豊かに

幅広い分野で活用されているエッジコンピューティングについて詳しく知りたい!

「顧客分析」の事例

「顧客分析」の事例

顧客ニーズを把握することはビジネスの成長や企業価値を向上させるのに欠かせません。リアルタイムでレスポンスすることが求められるため、顧客分析にもエッジコンピューティングの技術が活用されています。

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画像解析技術を活用して行動を分析する

画像解析技術を活用して行動を分析する

これまでは小売店舗を訪れた人の購買行動に関する情報は、POSデータによる購買記録の収集と目視による観察しかありませんでした。そのため、店舗のマーケティング担当者にとって購入に至るまでの来店者の行動や、何も買わずに帰ってしまった非購入者の行動分析はとても困難でした。
しかし、カメラ映像から人物を検出・追跡して動線を抽出するエッジコンピューティングの画像解析技術を活用することで、店舗に設置されたカメラ映像から来店者の店頭での購買行動を可視化することができるようになったのです。

具体的な設計

店舗に設置されたカメラ映像を店舗内に設置されたエッジに取り込むと、コンピュータに搭載された解析エンジンがカメラ映像から動体領域を認識して頭部領域と照合します。カメラ映像から人物を抽出し、人物の動きを予測して追跡しますが、解析エンジンはこれらの処理をコンピュータの一時記憶装置(RAM)内で行います。取り込んだ映像や解析エンジンがその過程で作成したデータはその場で破棄し、抽出した人物の座標データのみを保存します。そのため、個人を特定するようなデータは残りません。
作成された人物の座標データは、カメラごとにクラウド上に集約されます。複数のカメラ間の座標データをクラウド上に集約して分析した結果を「店内の滞在状況を示すヒートマップ」「時間帯別の店内通過人数」「店内の棚の前を通過する時間の割合を示すコンバージョン」という形で提示します。これらの情報はクラウド上にあるため、店舗のマーケティング担当者は外出先でも来店者の行動を把握できます。また、店内に設置したカメラ画像から時間帯別の来店者数や性別・年齢を抽出した結果をクラウド上で集約・閲覧することも可能です。
これらの情報により、マーケティング担当者は来店者の行動を継続的かつ定量的に分析することができ、データに基づいた店舗レイアウトなどの施策立案や施策の効果検証などがより簡単に行えるようになります。また、購買に関するPOSデータと合わせて分析することで来店者の購買行動だけでなく、非購買者の行動分析にも役立ちます。

買わずに帰ってしまう理由を特定するのは難しい

購入者と非購入者の行動にどのような違いがあるのかを調べるために、エッジコンピューティングを活用することができます。
カメラの映像をエッジで処理し、映っている対象が人物だと判断した場合は、性別や年齢などの属性と行動を追跡します。情報はクラウドに送られますが、個人を特定できる画像はエッジ側で処理されるので、来店者は安心して買い物することができます。

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